(いつもの固定マスターではなく、男マスターでカイトが病んでます。
多少の流血表現、また、人によっては死ネタ、ボーイズラブも含まれますので、苦手な方はお引き取りください。
また土台は倶亜で、胡桃さん、倶亜、太陽さんとの結果選択形式のようなものとなっておりますのでお好きな方向にお進みください。 書き手が違うので、マスター、カイトの一人称などが違いますが、ご了承願います。
では、大丈夫な方はスクロールをお願いします。)








































何が起こったのか分からなかった。
周りが赤に染まる。鈍い痛み。途端に無重力感に襲われる。 意識が朦朧とするなかで、俺は赤に染まる青を見た。
カイトは銀色に光る赤がこびりついた刃物を背後に投げつけた。カラリ、金属が落ちた音があまり働かない頭に響いた。 そうして、あいつはいつものようににこりと笑う。
そういえば、俺はなんでここにいるんだっけ。いつものように家に帰って、いつものように二人で飯食って。それから、どうした? 何も分からない。この場所も、今、自分の身に何が起こっているのかも。


「カイト」


声にならない声で呟いた。実際、きちんと声に出ているかどうかも分からないが。 けれど、カイトの返事は聞こえない。やはり、声に出ていなかったのだろうか。もう一度出そうと思っていても、喉が何かに掴まれたように、引き裂かれたようになっていて上手く声が出せない。
そのとき、ぽつり、と頬に小さな雫が滴る。雨でも降ってきたのだろうか。それじゃあ、ここは屋外なのか。 訳の分からない状況に置かれているのに、こうも冷静に判断できる自分に思わず苦笑する。
カイトは相変わらずにこにこと笑っている。雨が俺の頬に付いた赤を流す。その雨はとどまることを知らず、ぽつり、ぽつりと降り続けた。


















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